「運動のあとに子どもがかかとを痛がるけれど、成長痛なのか病気なのかわからない」と悩む保護者は少なくありません。
成長期にスポーツをする子どもに多いかかとの痛みとして、代表的なものがシーバー病です。
この記事では、シーバー病の原因や症状、家庭でできる対処法に加え、整骨院の現場から見た体の使い方との関係もわかりやすく解説します。
お子さまのかかとの痛みが気になっている方は、ぜひ最後までご覧ください。
シーバー病とは?成長期の子どもに多いかかとの痛み

ここでは、シーバー病がどのような病気なのか、基本的な特徴を紹介します。
シーバー病(踵骨骨端症)の基本
シーバー病は、成長期の子どものかかとの骨に痛みが出る病気です。
正式には踵骨骨端症(しょうこつこったんしょう)と呼ばれ、セーバー病という別名もあります。
10歳前後の男の子に多くみられ、まれに女の子にも発症するのが特徴です。
海外の医学情報では、スポーツに活発に取り組む9〜14歳ごろの子どもに多いとされています。
片足だけでなく両足に症状が出ることもあるため、左右のかかとをあわせて確認しておくことが大切です。
当院でも、バスケットボールやサッカーに打ち込む小学生のお子さんの来院が多くみられます。
かかとの骨が成長途中であることが関係する
子どものかかとの骨には、骨が伸びるための軟らかい「成長板(骨端軟骨)」があります。
この成長板は大人の骨より外からの力に弱く、くり返し負荷がかかると傷みやすい部分です。
かかとの骨はおよそ15歳ごろに固い骨になり、それ以上は伸びなくなります。
つまりシーバー病は、骨が成長している時期に特有のかかとのトラブルです。
成長期は骨と筋肉と腱がそれぞれ異なる速さで成長するため、ふくらはぎの筋肉やアキレス腱が硬くなりやすい時期でもあります。
シーバー病の原因と症状
ここでは、シーバー病が起こる原因と症状、かかと以外に関わる体の特徴について紹介します。
アキレス腱の引っ張りと運動の負荷が主な原因
かかとの骨の端は、ふくらはぎの筋肉からのびるアキレス腱が付着している部分です。
走る・跳ぶといった運動でかかとに負荷がかかるうえに、アキレス腱が成長板を引っ張る力が加わり続けることで発症します。
その結果かかとの骨の血流が悪くなり、骨の端の部分に炎症などが生じる仕組みです。
成長期にふくらはぎの筋肉やアキレス腱が硬くなり、引っ張る力が強まりやすい点も原因のひとつに挙げられます。
陸上用のフラットシューズやサッカーのスパイクなど、かかとが高くならない靴で運動する子どもは、特に注意が必要です。
シーバー病の主な症状と子どもが見せるサイン
シーバー病の代表的な症状は、かかとを押したときの痛みと軽い腫れ、歩くときの痛みです。
痛みはかかとの側面や端に出やすく、つま先立ちや走る動作で強くなります。
激しい運動のあとに症状が出ることが多く、痛みを避けようとして歩き方が変わる子どもも少なくありません。
現場でも、練習中や練習後に痛がる様子で気づいたという保護者の方が多くいらっしゃいます。
痛みが強いときは、歩くのもつらいほどになるお子さんも珍しくありません。
保護者が気づきやすいサインを表にまとめました。
| サイン | 具体的な様子 |
| 運動中・運動後の痛み | 練習中や練習後に「かかとが痛い」と訴える |
| つま先歩き | かかとを地面につけず、つま先で歩く |
| 足を引きずる | 痛いほうのかかとに体重をかけないようにする |
| 押すと痛がる | かかとの側面や端を押すと痛がる |
| 腫れ・熱感 | かかとが軽く腫れたり、熱をもって赤くなったりする |
このようなサインが見られたら、運動量を見直すタイミングと考えてください。
かかとだけでなく体全体の使い方も関係する
当院では、シーバー病はかかとだけの問題ではないと考えています。
来院するお子さんの体を見ると、かかと以外にも共通する特徴がみられることが多いからです。
よく見られる特徴を表にまとめました。
| 体の部位 | よく見られる様子 |
| 足指 | 足指をうまく使えていない |
| 太もも | 太ももの前側が硬い |
| 姿勢 | 反り腰や猫背になっている |
なかでも特に大切なのが、足指を正しく使えているかどうかです。
足指がうまく使えていないと体のバランスが崩れ、かかとに負担が集中しやすくなると考えています。
靴やスパイクを見直すことも大切ですが、まずは足指の使い方に目を向けてみてください。
オスグッド病や成長痛との違い

ここでは、シーバー病と間違えやすい痛みとの違いについて紹介します。
オスグッド病とは痛む場所が異なる
シーバー病とよく比べられるのが、ひざの下が痛むオスグッド病です。
どちらも成長期に骨の成長板が傷む「骨軟骨症」の一種とされています。
大きな違いは、痛む場所と引っ張る腱です。
両者の違いを表で整理しました。
| 項目 | シーバー病 | オスグッド病 |
| 痛む場所 | かかと | ひざの前側(ひざの皿のすぐ下) |
| 引っ張る腱 | アキレス腱 | ひざの皿の腱 |
| 多い年齢 | 10歳前後(9〜14歳ごろ) | 10〜15歳 |
痛む場所がかかとかひざかが、見分ける最初の手がかりです。
ただし当院では、どちらも痛む場所だけの問題ではなく、体のバランスや足指の使い方が関わると考えています。
オスグッド病が気になる方は、別のコラムもあわせてご覧ください。
「成長痛だろう」と見過ごさないことが大切
子どものかかとの痛みは、「成長痛だからそのうち治る」と様子を見られがちです。
しかしシーバー病は目立つ腫れや関節の動きの悪さが少なく、ほとんどが本人の訴える痛みだけで気づく病気とされています。
そのため受診しないまま運動を続け、症状を長引かせてしまうおそれがあるので注意してください。
練習を続けたい気持ちから、痛みを口にしない子どももいます。
活発に運動する子どもがかかとを痛がったら、保護者や指導者が早めに気づいてあげることが何より重要です。
当院にも、痛みに気づいてすぐに相談に来られる保護者の方が多くいらっしゃいます。
骨折など別の病気が隠れていることもある
かかとの痛みの原因は、シーバー病だけとは限りません。
レントゲン検査ではシーバー病そのものを判断できないこともありますが、疲労骨折や骨嚢腫(こつのうしゅ)など別の原因を見つける手がかりになります。
自己判断でシーバー病と決めつけず、まずは整形外科で骨の状態を確認することが大切です。
シーバー病の対処法と受診の目安
ここでは、家庭でできる対処法と整形外科を受診する目安について紹介します。
家庭でできる対処法とよくある間違い
医療機関の解説では、かかとを休ませる局所の安静が基本とされています。
家庭で取り入れやすい対処法を表にまとめました。
| 対処法 | ポイント |
| 運動量の調整 | 激しい運動を控え、痛みが和らぐように活動量を調整する |
| 冷やす | 痛む部分に氷をあてて冷やす |
| ストレッチ | スポーツの前後にふくらはぎとアキレス腱をゆっくり伸ばす |
| 靴の中敷き | ヒールパッドなどでかかとを高くし、アキレス腱が引っ張る力を弱める |
一方で当院では、ただ休ませるだけでは不十分だと考えています。
休んで痛みが引いても、足指の使い方や体のくせが変わらなければ、運動を再開したときに同じ負担がかかりやすいからです。
また前屈でもも裏(ハムストリングス)を伸ばすストレッチだけを続けている保護者の方も、多くいらっしゃいます。
かかとの負担には足指や姿勢も関わるため、ストレッチもお子さんの体に合わせて選ぶことが大切です。
ストレッチで痛みが強くなる場合は無理に続けず、専門家に相談してください。
整形外科を受診したほうがよいタイミング
受診するかどうかは、痛みの続き方と腫れの有無が判断の目安になります。
専門医の解説をもとに、様子を見てよいケースと受診したほうがよいケースを表にまとめました。
| かかとの状態 | 対応の目安 |
| 痛みが1日程度で治まり、普通に歩ける | しばらく様子を見てもよい |
| 痛みが続いている | 整形外科を受診する |
| 痛みを何度もくり返す | 整形外科を受診する |
| 軽くても腫れがある | 整形外科を受診する |
様子を見る場合も運動は控えめにして、痛みがぶり返さないか見守ってください。
痛みが強く続くときは、松葉杖を使ってかかとに体重をかけないようにする治療が選ばれることもあります。
治るまでの期間とスポーツとの付き合い方
シーバー病は一般に予後が良好で、最終的には症状が消えていく病気です。
ただし症状が数ヶ月続くこともあり、専門医の解説では1〜数年と長くかかることも多いとされています。
痛みを我慢して運動を続けると長引く原因になるため、練習量や内容は痛みの様子を見ながら調整することが大切です。
当院では、練習を完全にやめるのではなく、練習量を調整しながらセルフケアを続けることをお子さんと保護者に伝えています。
復帰の時期や練習の再開方法は自己判断せず、医師や専門家と相談しながら決めましょう。
参考:踵骨骨端症(セーバー病、シーバー病) (しょうこつこったんしょう)とは | 済生会
参考:シーバー病 – 08. 骨、関節、筋肉の病気 – MSDマニュアル家庭版
参考:オスグッド-シュラッター病 – 23. 小児の健康上の問題 – MSDマニュアル家庭版
まとめ

シーバー病は、10歳前後のスポーツをする子どもに多いかかとの成長板のトラブルです。
アキレス腱の引っ張りと運動の負荷が重なって起こり、かかとを押したときの痛みやつま先歩きがサインになります。
痛みが続く・くり返す・腫れがあるときは、まず整形外科で骨の状態を確認しましょう。
一方で現場で見ていると、足指の使い方や体のバランスもかかとの負担に大きく関わっていると感じます。
休ませるだけでは痛みをくり返す場合は、体の使い方から見直すことも選択肢のひとつです。
熊本県荒尾市の「らくとこ整骨院」では、なるべく痛くない施術と正しい体の使い方の指導を通して、痛みの根本改善を目指しています。
施術で体の変化を実感してもらいながら、ご家庭で続けられるセルフケアもお伝えするのが当院のスタイルです。
お子さまのかかとの痛みや練習との付き合い方に悩んでいる方は、お気軽にご相談ください。
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